『TURNs 2016-2021』 監督:田村大 / 2021年 [日本語字幕つき] 

  • 映像上映

2016年のTURNフェスからTURNの姿を記録してきた田村大は、その軌跡を映画としてまとめることを構想します。アーティスト、福祉施設の利用者やスタッフなどに、TURNの活動を通してどのような姿が生まれていったのか。6年にわたり蓄積された映像素材を編集し制作されたドキュメンタリー映画を公開します。

上映時間

8月18日(水) 14:45〜16:30(約100分)
8月19日(木) 12:45〜14:30(約100分)※音声ガイド上映


2021年6月末日現在、自分は2016年の「TURNフェス」から断続的に撮影を続けてきたTURNに関する映像群を「映画」として構成するべく編集作業を続けています。偉そうに「映画」と言ってみたものの、この映像が映画館でロードショーされるわけではありませんし、そもそもなにをもって「映画」と言えるのかは自分もわかりません。それでも、2016年のTURNフェスで初めて撮影を行った時に「映画的」なるものの気配を感じ、最終的に「映画にする」という到達点を目指して撮影を続けてきました。
しかし2020年3月末を境に、この映像群は、思いもしなかった形で「映画的」になってしまったと編集を進めながら感じています。それは大きなと表現すべきものであり、その断絶を生み出したのは、もちろん新型コロナウイルスによるパンデミックであり、これにより記録映像の断片たちは大きく変容してしまいました。「映画」を「映画」として成立させる要素の1つに「フレームの外を感じさせる」というものがありますが、2021年の今から見る、2020年3月以前の映像(商店街に貼られたTOKYO2020のポスター、マスクをつけずに行き交う人々、大勢の人が集まり交流する空間)は、コロナ禍中の「今」というフレームの外を強烈に想起させてしまいます。コロナウイルスは全世界に多大な影響を与え続けており、TURNも、アートも、アーティストも、福祉施設とその利用者も、そしてそれらを記録したこの「映画」も2020年3月以前と同じようには進めることができなくなっています。では、それをどのようにこの「映画」に落とし込めば良いのか。2021年6月末日現在、答えが見えない編集作業は続いています。

田村大

田村大
Hiroshi Tamura

映像演出・脚本家。大学在籍中、故・梅本洋一氏の下で映画論を専攻。大学の同期らと共に株式会社らくだスタジオを設立後、劇映画、ドキュメンタリー、ミュージックビデオなど多様な映像制作に携わる。

・らくだスタジオ
2009年、横浜国立大学卒業生を中心として映画制作を目的として設立された映像制作会社。