こんにちは。私は蜂です。蜂はお尻を振って、風を起こし、後ろにいる仲間に蜜のありかを教えます。そんな感じで、この作品について説明します。 聞こえなくても、見えなくても、あなたに伝えたいからね。 どうですか? 風、感じますか? 感じないですね、はー。困っちゃいます。でも、諦めませんよ。あなたがせっかくここまで来てくれたんだからね。    この作品は、ある、風景が描かれた「絵画」を探す作品です。あなたは「探偵」のように、置かれている物の配置や、流れている音声などを頼りにしながらその「絵」を想像してみてください。さぁ、探偵になりましょう。まずは手袋をはめて、「探偵」になりきってください。 「探偵」わかりますか?古畑任三郎?金田一?コナン?コロンボ?あれ、刑事でもいいのか?なんでもいいのですが、今回はできれば「ローラ・ブリッジマン」がおすすめです。 「ローラ・ブリッジマン」って知ってますか?彼女は目が見えない、耳が聞こえない、鼻から匂いもわからない、でも、あの、サリバン先生も教わったことのある、偉大なお方。 なぜ、彼女なのかって? きっとあなたは日頃、視覚・聴覚・嗅覚に頼りすぎて、大事な感覚を忘れてる。 だからほら、入り口のアルコールで手をぬらし、スーッとしてください。そして、これから誰かの大切な物に触れるんだから、ましてや初めましてなんだから、お互いを傷つけすぎないように、手袋をはめてください。手袋って、煩わしい感じもあるけど、とっても品位のあるものです。大切なことは、作品をびっくりさせないこと。あなたがここに服を着てきたように、どんなに暑くても汗だくでもまずは服を着ることです。 準備はできましたか? 配置図が必要な方は持っていってくださいね。黒い色の印刷が読みづらいかたは立体印刷のほうを持っていってね。点字で書いてあるよ。点字が読めない人は両方持っていっていいよ。でも黒い色の印刷で読める人は、立体印刷のほうは持っていかないでね。数に限りがあるからね。 黒い手袋をはめたら、この部屋の中にあるもの、触ってもいいですよ。試しに私の「ホホ」を撫でてみます?ん?そー。ここ。いいよ。ん?。誰か来たから、あとにしよー。 「探偵さん」これは「デート」です。しかも1回目の。お尻を振って「こっちに来て?」と誘う蜂たちとどこまでいけるかは、あなた次第です。玉手箱、もらえるかも知れませんよ。私はこの入り口で、ここから先に進もうか進むまいか、迷って立ちすくんでいる、この距離感が好きなので、ずっとここに居ます。私のことはお気になさらずどうぞお進みください。健闘を祈ります。あ、出口のところに、ゴミ箱あるから、お帰りの際は、手袋は、捨てていってくださいね。では、いってらっしゃい。