TURN Tunes

  • トーク
  • ヴォイス

このラジオでは、「おと」や「こえ」「きく」について様々なアプローチで考えてみます。
「きく」ということを、聴覚的な意味だけではなく、何かに対する態度や向き合い方、想像力の働かせ方、と広く捉えて展開していきます。


ユニークな「きく」技術を持ったゲストたちを招いてのおしゃべりと、「おと」や「こえ」についての一風変わったコーナーを通して、世界との新たな関わり方をちょっとだけ発見するラジオです。

番組構成・出演:稲継美保
録音・編集:和田匡史
ジングル:hibarimusic

【配信スケジュール】
8月8日(日) 11:00~(約60分)
8月15日(日) 11:00~(約60分)
8月22日(日) 11:00~(約60分)
8月29日(日) 11:00~(約70分)
9月5日(日) 11:00~(約80分)

※本ウェブサイトTOPページにて配信!
※放送後、翌週月曜日以降にアーカイブ配信を行います。当日配信を見逃した方は、本ページをチェックしてください。


TURN Tunes vol.1

「Talk to Listeners」
色々な分野で活動されている、ユニークな「きく」技術を持っている人、
「Listeners」をお呼びして、お話するコーナー。
ゲスト:和田浩章(バリアフリー音声ガイド製作者)

「音聴き」
江戸時代にあった「虫聴き」を、番組内に「音聴き」として復活させるコーナー。
音:松本一哉(音楽家・サウンドアーティスト・ドラマー)

「もしもしターンフェス」
TURNフェス6 に参加するアーティストに電話をつなぎ、制作の様子やTURN への思いをお聞きするコーナー。
ゲスト:井川丹(音楽家)

「ジョニーズダイアリー」
世界をきくためのひとつの形、“音日記”を朗読するコーナー。
日記制作・朗読:関場理生(劇作家・ダイアログ・イン・ザ・ダークアテンド)


TURN Tunes vol.2

「Talk to Listeners」
色々な分野で活動されている、ユニークな「きく」技術を持っている人、
「Listeners」をお呼びして、お話するコーナー。
ゲスト:美月めぐみ&鈴木橙輔(バリアフリー演劇結社ばっかりばっかり)

「音聴き」
江戸時代にあった「虫聴き」を、番組内に「音聴き」として復活させるコーナー。
音:松本一哉(音楽家・サウンドアーティスト・ドラマー)

「もしもしターンフェス」
TURN フェス6に参加するアーティストに電話をつなぎ、制作の様子やTURNへの思いをお聞きするコーナー。
ゲスト:大西健太郎(パフォーマンスアーティスト)

「おしゃべりティーパーティ」
音楽家の角銅真実さんと、とある日の午後にした「声」についての長いおしゃべりの一
部をお届けするコーナー。
出演・音楽:角銅真実(音楽家・打楽器奏者)


TURN Tunes vol.3

「おしゃべりティーパーティ」
音楽家の角銅真実さんと、とある日の午後にした「声」についての長いおしゃべりの一部をお届けするコーナー。
出演・音楽:角銅真実(音楽家・打楽器奏者)

「Talk to Listeners」
色々な分野で活動されている、ユニークな「きく」技術を持っている人、
「Listeners」をお呼びして、お話するコーナー。
ゲスト:玄田有史(労働経済学者)

「もしもしターンフェス」
TURN フェス6に参加するアーティストに電話をつなぎ、制作の様子やTURNへの思いをお聞きするコーナー。
ゲスト:永岡大輔(アーティスト)

「ジョニーズダイアリー」
世界をきくためのひとつの形、“音日記”を朗読するコーナー。
日記制作・朗読: 関場理生 (劇作家・ダイアログ・イン・ザ・ダークアテンド)


TURN Tunes vol.4

「もしもしターンフェス」
TURN フェス6に参加するアーティストに電話をつなぎ、制作の様子やTURNへの思いをお聞きするコーナー。
ゲスト:マチーデフ(ラッパー・作詞家・ラップ講師)

「Talk to Listeners」
色々な分野で活動されている、ユニークな「きく」技術を持っている人、
「Listeners」をお呼びして、お話するコーナー。
ゲスト:和田夏実(インタープリター)

「音聴き」
江戸時代にあった「虫聴き」を、番組内に「音聴き」として復活させるコーナー。
音:松本一哉(音楽家・サウンドアーティスト・ドラマー)

「おしゃべりティーパーティ」
音楽家の角銅真実さんと、とある日の午後にした「声」についての長いおしゃべりの一部をお届けするコーナー。
出演・音楽:角銅真実(音楽家・打楽器奏者)


TURN Tunes vol.5

「ジョニーズダイアリー」
世界をきくためのひとつの形、“音日記”を朗読するコーナー。
日記制作・朗読: 関場理生 (劇作家・ダイアログ・イン・ザ・ダークアテンド)

「音聴き」
江戸時代にあった「虫聴き」を、番組内に「音聴き」として復活させるコーナー。
音:松本一哉(音楽家・サウンドアーティスト・ドラマー)

「もしもしターンフェス」
TURN フェス6に参加するアーティストに電話をつなぎ、制作の様子やTURNへの思いをお聞きするコーナー。
ゲスト:田村大(映像演出・脚本家)

「おしゃべりティーパーティ」
音楽家の角銅真実さんと、とある日の午後にした「声」についての長いおしゃべりの一部をお届けするコーナー。
出演・音楽:角銅真実(音楽家・打楽器奏者)

「Talk to Listeners」
色々な分野で活動されている、ユニークな「きく」技術を持っている人、「Listeners」をお呼びして、お話するコーナー。
ゲスト:地下芸術家O


制作後記

「ラジオ番組と言えば、その番組を表すようなキャッチコピーが必要!」ラジオ制作を始めた時、最初に考えたことです。
自分が好きなラジオ番組には、必ずこういうキャッチコピーがあり、番組が始まってパーソナリティがその言葉を口にすると、「はじまった〜!」とテンションが上がり、自分の他にも大勢いるであろうリスナーが、今、同時にこれを聴いているのだと、そんな魔法がかかるのです。
そこで、内容も決まっていないうちになんとかひねり出したのがこのキャッチコピー。
「きく」を通して世界との新たな関わり方をちょっとだけ発見するラジオ、ターンチューンズ。
番組のオープニングとエンディングで必ず言っていた決まり文句ですが、不思議なことに、毎回口にする度、「ああ、そういう番組なんだなぁ」と、何かはっとするような気持ちがしました。

そもそもなぜ「きく」だったのか。
私は普段、俳優やアートプロジェクトの企画・制作などをしているのですが、そこで自分が鍛えてきたと思う力のひとつに「語る」があります。
なんなら一番頑張って磨いてきたもの、かもしれません。
大学時代には、「これからのアーティストは自分自身の作品や活動について語れる言葉を持ちなさい」とか、俳優修行が始まってからは「俳優は自分の言葉(自身の経験や身体を通した言葉)でセリフを語るべし」とか、いつも「自分自身の言葉」や「語るべき言葉」や「伝わる言葉」を探して、そしてそれを語る方法や技術を学びたい、学ばなければと思ってきました。
でも一方で、「語る」の前、いや、前なのかはわからないけど、「語る」が起こる時に必ずセットであるもの、「きく」の存在の大きさを感じてきたようにも思うのです。
例えば、舞台の上演が成立するには必ず観客が必要です。
舞台に立って、ひとことめのセリフを発する瞬間。
客席に座る一人一人が、暗がりの中で、じっと耳を澄ませて、「語り」が起こるのを待っている。
そんな時、私はいつも「きく」の力に圧倒されます。
その「きく」の力に後押しされて、初めて俳優は語り始めることができます。

「語る」に技術があるように、「きく」にも実に様々な技術があります。
このラジオでは、それぞれにユニークな「きく」技術を持ったゲストを招いて、トークをしたり、一緒にコーナーを制作しました。「きく」というのはもちろん耳という感覚器官における“聴力“のようなこともありますが、ゲストの方々とお話しているうちに、「きく」ということが、何か新しい動詞のようにも感じられてきました。それはまさに、キャッチコピーで言っている「世界との新たな関わり方」のようなものでした。

そうやってラジオの制作を通して「きく」を考えながら、少しずつ気づいていったことがあります。
それは、「きく」の前には(前かはわからないけど…)、「ある」や「いる」があるということ。
奇しくも、最終回、第5回目放送の「Talk to Listeners」で、“「きく」を哲学する”といった切り口でトークをしたところ、そもそも我々にとって「ある」や「知覚できる」とは何なのか、という問いが生まれ、何かが解るどころか、さらなる迷いの森に突入したままこの番組は終わりを迎えました。

「きく」や「語る」が起こる時に、「ある」や「いる」がある、ということは、当たり前のようでいて、結構ないがしろにされているんじゃないかと思います。
何かの音が鳴るとき、当たり前だけどその鳴っているものや生き物がある、いる。
誰かが語り始めるとき、それを聞いている人がいる。
どこかで語りが起こるとき、それが起こる場がある。

全5回の放送を終えてたどり着いたのは、「ある」や「いる」という、ポンっと開けた世界でした。
あなたがいて、わたしがいて、この場がある、ということから始めるしかないんだな、とそんなことを感じております。
そして、「語りあい」を始める前に、まずはお互いの存在を確かめて、呼吸を整えるように「ききあい」から始めてみる。
拍子抜けするような発見かもしれませんが、でも、今、自分が何かと向き合うひとつの態度としては、十分な答えのような気もします。
もちろん、これはMCである私が、2021年の夏、このラジオを通して気づいたことに過ぎないので、リスナーの方それぞれに、自分の生活や人生に引き寄せた発見があるととても嬉しいです。

最後に、
第3回目の「Talk to Listeners」のゲストに来てくださった玄田先生が、打ち合わせの時におっしゃっていたことで、このラジオを作るにあたって心の支えにしていた言葉があります。
「ラジオは惑うメディアだ」というもので、先生が昔、他のラジオにご出演された時にその番組のパーソナリティの方が言っていたそうです。
そういえば、トークのゲストに来てくださった方々も、コーナーを一緒に作ってくださった方々も、みんなそれぞれの生活や活動の中で大いに惑われ、何より私自信、惑いに惑いながら制作をしました。そしてリスナーのみなさんも、この難しい時代に、日々何かに惑われていることでしょう。
作る側も、リスナーも、惑いながら一緒にいれるメディア。
みんなで惑える場所、時間。
ターンチューンズも、誰かにとって、そんな存在になっていたらと願っています。

稲継美保

稲継美保
Miho Inatsugu

東京藝術大学在学中より演劇を始め、舞台を中心にフリーランスの俳優として活動中。
幅広い役柄をこなし、国内外問わず様々な作品に出演している。
近年は、映像作品のナレーションや、音声のみの演劇作品を作るプロジェクトへの参加なども積極的に行っている。
2013年からはパフォーマンスプロジェクト・居間 theaterのメンバーとしても活動を開始。
既存の “場” とそこにある “ふるまい” に注目して作品創作をおこない、演劇的な体験をまち・日常のなかに展開している。
居間 theaterとして、2018年〜2020年、東京プロジェクトスタディ スタディ2ナビゲーターを務めた。

トーク+作品映像「手とその人 ~自分と社会を手でつなぐ32人のかたち~」

五十嵐靖晃×クラフト工房La Mano
  • トーク
  • 映像

クラフト工房La Mano(ラマノ)は、2015年よりTURNに参加し、アーティストの五十嵐靖晃ともに交流を重ねてきました。その交流を展開させ、2017年度からTURN LAND「手のプロジェクト」をスタートしています。五十嵐は、ラマノの利用者やスタッフが、普段の仕事の中で触れている「糸」や「手」に着目し、「束ねる」「巻く」「手渡す」といった素材を扱うシンプルな所作と向き合ってきました。そこから、一人ひとり異なるリズムを見出し、人と人をつなぎ、時間を共有する場が生み出されてきました。

東京都美術館で開催したTURNフェス6では、ラマノと五十嵐が、施設利用者の一人ひとりの「手」に焦点をあて、映像作品「手とその人 ~自分と社会を手でつなぐ32人のかたち~」の上映インスタレーションを通して、多様な手の表現と豊かな時間を共有する場を展開しました。

展示期間中には、ラマノ施設長・高野賢二さんと五十嵐、そしてTURN監修者・日比野克彦を交えたトークを収録。2015年からはじまったラマノと五十嵐の交流について、そしてTURN LAND「手のプロジェクト」や、今回の作品について語りました。





TURNフェス会場でのトーク映像


トーク出演:日比野克彦(TURN監修)、五十嵐靖晃(アーティスト)、高野賢二(クラフト工房La Mano)
撮影・編集:冨田了平



作品映像「手とその人 ~自分と社会を手でつなぐ32人のかたち~」



撮影場所:クラフト工房La Mano
撮影・編集:冨田了平

五十嵐靖晃
Yasuaki Igarashi

1978年千葉県生まれ。2005年東京藝術大学大学院修士課程修了。人々との協働を通じて、その土地の暮らしと自然とを美しく接続させ、景色をつくり変えるような表現活動を各地で展開。これまでのプロジェクトで、2005年にヨットで日本からミクロネシアまで約4000㎞、2012年に日本海沿岸をたどる約970㎞の航海を経験。“海からの視座”を活動の根底とする。代表的なプロジェクトとして、樟の杜を舞台に千年続くアートプロジェクトを目指す福岡県太宰府天満宮での「くすかき」(2010〜)、漁師らと共に漁網を空に向かって編み上げ土地の風景をつかまえる「そらあみ」(瀬戸内国際芸術祭2013・2016)、山間に暮らす人々と協働し湖と雲を組紐で結ぶ「雲結い」(北アルプス国際芸術祭2017)など。世界の時間が一点に集まる南極で、子午線を糸に見立てて、世界中から集った人々と組紐を組み、その紐を使って皆で凧揚げをするプロジェクト「時を束ねる」(南極ビエンナーレ2017)を展開。

http://igayasu.com

クラフト工房La Mano
Atelier La Mano

東京都町田市の小さな里山にたたずむ築120年の民家で、障害のある人とない人がともにものづくりに励んでいる。1992 年に障害のある人の作業所として設立。2009年より就労継続支援B型事業を開始した。2021年「認定NPO法人」の承認を得る。
「La Mano」は「手」の意味で、「手しごとを中心とした物づくりで、魅力ある製品をつくり社会と繋がっていく」という思いが込められてい る。染め、織りなどのクラフト製品には、藍や草木で染めた糸や布などを使っており、自然の温かみが感じられる。2006 年からはアート活動を開始し、利用者それぞれが個々の豊かな表現活動を行っている。

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対談:渡辺篤×斎藤環

  • トーク

TURNフェス6参加アーティストの渡辺篤は、自身のひきこもりの経験を通して様々な表現を発信しています。
今回、「ひきこもりと表現」をテーマにスペシャルトークを開催します。ゲストにお迎えするのは、ひきこもりに関する著書を多数執筆されている斎藤環さん。「お互い質問してみたかったことを聞いてみましょう」というインタビュー形式で展開します。

収録:2021年8月10日

渡辺篤
Atsushi Watanabe

現代美術家。2009年東京藝術大学大学院修了 。主な個展及びプロジェクト展は「同じ月を見た日」(R16 studio、神奈川、2021年)、「修復のモニュメント」(BankART SILK、神奈川、2020年)。主なグループ展は「Looking for Another Family」(国立現代美術館、韓国、2020年)、「ALONE TOGETHER」(STUK、ベルギー、2020年)。

Photo: Keisuke Inoue

斎藤環
Tamaki Saito

1961年、岩手県生まれ。1990年、筑波大学医学専門学群 環境生態学卒業。医学博士。
爽風会佐々木病院精神科診療部長(1987年より勤務)を経て、2013年より筑波大学医学医療系社会精神保健学教授。また,青少年健康センターで「実践的ひきこもり講座」ならびに「ひきこもり家族会」を主宰。専門は思春期・青年期の精神病理、精神療法、および病跡学。
『関係の化学としての文学』(新潮社・2009年)で2010年度日本病跡学会賞を受賞。『世界が土曜の夜の夢なら ヤンキーと精神分析』(角川書店・2012年)で2013年に第11回角川財団学芸賞を受賞。『心を病んだらいけないの? うつ病社会の処方箋』(與那覇潤共著、新潮社・2020年)で2020年に第19回小林秀雄賞を受賞。

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